ウォームギヤ(読み)うぉーむぎや(英語表記)worm gear

翻訳|worm gear

精選版 日本国語大辞典 「ウォームギヤ」の意味・読み・例文・類語

ウォーム‐ギヤ

〘名〙 (worm gear) 歯車伝導装置の一つ一条または数条の螺旋(らせん)からなるウォームと、歯溝が刻まれているウォームホイールとをかみ合わせて動力伝達に使われる。大きな減速比を得られ、逆転が不可能なことが特徴
※ガトフ・フセグダア(1928)〈岩藤雪夫〉一「ピッチの長いウォムギアに似た黒い浪のうねりの上に」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウォームギヤ」の意味・わかりやすい解説

ウォームギヤ
うぉーむぎや
worm gear

歯車伝動装置一種。1条または数条のねじ状の歯をもつ歯車をウォームといい、その形は一般的には円筒形である。このウォームとかみ合う歯車をウォームホイールといい、ウォームとウォームホイールの1組をウォームギヤという。ウォームホイールは、はすば歯車に似た歯溝を有しウォームの回転により回転する。ウォームとウォームホイールの軸は直角の場合が多い。ウォームギヤは1組で300分の1程度までの大きな減速比が得られる。一般には、ウォームホイールからウォームに回転を伝えることはできないが、ねじれ角を大きくすることにより可能になる。

[中山秀太郎]


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百科事典マイペディア 「ウォームギヤ」の意味・わかりやすい解説

ウォームギヤ

食いちがっている2軸(ふつうは直交する2軸)間に用いる歯車で,円筒形や鼓形のねじ状歯車であるウォームと,それにかみ合う歯を周囲にもつ円板状のウォームホイールからなる。軽負荷用の円筒ウォームギヤと強負荷用の鼓(つづみ)形ウォームギヤがある。回転比を大きくとれるので減速装置,増力装置などに広く使用される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウォームギヤ」の意味・わかりやすい解説

ウォームギヤ
worm gear

食違い軸歯車の一種。通常は1~4条のねじ状をしている歯数の少いほうの歯車をウォーム,これと噛み合う歯数の多い歯車をウォームホイール,両歯車の対をウォームギヤと呼ぶ。食違った2軸のなす角度は直角であることが多く,一般には線接触をする。この種の歯車は,静かで円滑な運転ができ,小型軽量で大きな減速比 (駆動歯車軸と従動歯車軸の回転数の比) が得られる長所をもつが,効率が低い欠点がある。なお,負荷容量を増す目的で,ウォームの歯をウォームホイールの同心円上において同時に噛み合うようにした歯車対を鼓形ウォームギヤという。

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改訂新版 世界大百科事典 「ウォームギヤ」の意味・わかりやすい解説

ウォームギヤ
worm gear

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世界大百科事典(旧版)内のウォームギヤの言及

【歯車】より

…歯筋の形(大歯車におけるもの)は種々あり,円弧,インボリュート,トロコイドなどが用いられている。(5)ウォームギヤworm gear 食違い軸間に用いられる歯車の一種。図6‐iのようにねじ状の歯筋をもつウォームと,これとかみ合うウォームホイールよりなり,動力は必ずウォームからウォームホイールのほうへ伝達される。…

※「ウォームギヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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