ウォーターシュート(読み)うぉーたーしゅーと(英語表記)water chute

精選版 日本国語大辞典 「ウォーターシュート」の意味・読み・例文・類語

ウォーター‐シュート

〘名〙 (water chute) 急斜面レールを設け、その頂上からボートをすべらせて、池の水面に浮かばせる娯楽設備。
風俗画報‐二六九号(1889)ウォーター、シュート「装置宏大にして、趣向の斬新なるは、ウォーター、シュートなるべし」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウォーターシュート」の意味・わかりやすい解説

ウォーターシュート
うぉーたーしゅーと
water chute

急角度斜面を、レールに乗せた小船が滑走して、池の水面上に激しく滑り込むスリルを味わう娯楽施設。ローラーコースターroller coaster(日本ではジェットコースターその他さまざまな名でよばれているもの)の変型として考案されたといわれる。1895年、ニューヨーク郊外の遊園地コニー・アイランドに設けられたものが始まり。日本では1903年(明治36)の大阪での第5回内国博覧会が最初。その後、昭和初期に、東京の豊島(としま)園、奈良のあやめ池遊園地などに本格的なものがつくられて人気を集めたが、より強いスリルを求める傾向から、ローラーコースターの要素をあわせた、ウォーター・コースター(ウォーターライド)といったようなものが主流になっている。2005年(平成17)11月、日本で唯一稼動していた横浜・八景島シーパラダイスのものが営業を終了、ウォーターシュートは日本から姿を消した。

[可児秀夫]

『ジョン・F・キャソン著、大井浩二訳『コニー・アイランド――遊園地が語るアメリカ文化』(1987・開文社出版)』『細井正利著『遊園地・絶叫マシンパラダイス』(1995・フットワーク出版)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ウォーターシュート」の意味・わかりやすい解説

ウォーターシュート
water-chute

斜面上のレールにのせた舟を水面に滑り落とす遊戯施設。起源は不明だが,日本では1903年第5回内国勧業博覧会(大阪)に初めて設置された。前年イギリスのグラスゴー博覧会に登場したものにならったといわれ,茶臼山の斜面を利用,展望台も兼ねた約12mの台上から約95mの軌道を滑るものであった。入場料は10銭,舟に乗るにはさらに10銭と《風俗画報》に記されている。次いで07年東京勧業博覧会に設置された。常設の本格的なものは,27年東京の豊島園が最初で,以後各地の遊園地に広まり,花形施設の一つとなったが,現在では西武園に残るのみである。
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