日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウォーカー(William Walker、冒険家)
うぉーかー
William Walker
(1824―1860)
19世紀のなかば、中央アメリカのニカラグアに侵攻して大統領となったアメリカ人の冒険家。テネシー州ナッシュビル生まれ。1840年代にアメリカ合衆国は、「明白なる天命(マニフェスト・デステイニー)」というイデオロギーのもとでテキサスを併合し、さらに戦争でメキシコの領土を獲得するなど膨張主義の勢いを強めた。この風潮を背景に、ウォーカーは53年私兵を率いてメキシコ領に侵入、55年にはニカラグアに侵攻してこの国の実権を握り大統領となった(在任1856~57)。しかし、他の中央アメリカ諸国の連合軍に追放され、その後ホンジュラスでも争乱を画策したが捕らえられ、ホンジュラス政府により処刑された。
[加茂雄三]