日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウォルトン(Sir William Walton)
うぉるとん
Sir William Walton
(1902―1983)
イギリスの作曲家。ランカシャーのオールダム生まれ。オックスフォードの聖歌隊学校に学んだが、作曲はほとんど独学といえる。弦楽四重奏曲(1922)、女流詩人イーディス・シットウェルの一連の詩に作曲した朗読とアンサンブルによる『ファサード』(1922)、序曲『ポーツマス・ポイント』(1925)などによって作曲家としての地位を確立。初期の作品にはかなり前衛的手法がみられるが、やがて新ロマン主義的作風を示す。代表作にはオペラ『トロイラスとクレッシダ』(1954初演)、オラトリオ『ベルシャザールの饗宴』(1931初演)、2曲の交響曲、ビオラ協奏曲(1929)、映画音楽『ヘンリィ5世』『ハムレット』などがある。1951年ナイトの称号を受けた。
[寺田兼文]