ウェーバー(Alfred Weber)(読み)うぇーばー(英語表記)Alfred Weber

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウェーバー(Alfred Weber)
うぇーばー
Alfred Weber
(1868―1958)

ドイツの経済学者、社会学者。マックスウェーバーの弟。エルフルトに生まれる。ボンベルリンチュービンゲン大学法学、経済学を修め、ベルリン大学講師(1899)、プラハのドイツ大学教授(1904~1907)、ハイデルベルク大学教授(1907~1933)を歴任。第二次世界大戦中ナチスに追われたが、戦後ハイデルベルク大学名誉教授として復活。初め産業立地論を専攻したが、のちに社会学研究に転じた。ジンメルらの形式社会学を批判し、歴史的世界を社会過程、文明過程、文化運動の3層に区分し、それらの多様な相互連関に即して社会の布置構成を歴史主義的にとらえようとする文化社会学あるいは歴史社会学を提唱した。晩年はこうした立場からさらにヨーロッパ文明の黄昏(たそがれ)を論じ、生そのものを問う歴史哲学への傾斜を深めた。主著に『国家社会学および文化社会学への意見Ideen zur Staats- und Kultursoziologie(1927)、『文化史としての文化社会学』Kulturgeschichte als Kultursoziologie(1935)、『歴史社会学および文化社会学の原理Prinzipien der Geschichts- und Kultursoziologie(1951)などがある。

原直樹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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