ウェイトリフティング

百科事典マイペディア 「ウェイトリフティング」の意味・わかりやすい解説

ウェイトリフティング

重量挙げとも。バーベルを一定の方法で頭上に持ちあげてその重量を競う競技。スナッチ,ジャークの2種目がある。スナッチは一挙動で引き上げるもので,ジャークは正式にはクリーン・アンド・ジャークといい,バーベルを肩まで引き上げたあと,両足,腰の反動により頭上に差し上げる。各種目について3回ずつ試技を行い,各最高記録を合計した重量で順位を決める。筋力強化のための薬物使用が大きな問題となったため,厳しいテストが課されるとともに,1993年から体重制も改められ,男子は54kg級,59kg級,64kg級,70kg級,76kg級,83kg級,91kg級,99kg級,108kg級,108kg超級の10階級。1987年からは女子の世界選手権大会も開催されるようになり,46kg級,50kg級,54kg級,59kg級,64kg級,70kg級,76kg級,83kg級,83kg超級の9階級に分けて行われている。オリンピックでは男子は第1回アテネオリンピックと1904年のセントルイスオリンピックに体重制限のない片手ジャークと両手ジャークが実施されたが,当時は体操種目の一つとされた。1920年のアントワープオリンピックで体重別の階級分けがなされ,単独の正式種目となった。1996年のアトランタオリンピックでは10階級にまで膨らんだ。2000年のシドニーオリンピック以降男子の階級再編が行われ,現在は8階級で実施されている。女子は2000年シドニーオリンピックから正式種目で7階級となっている。男子は伝統的には旧ソ連が強豪だったが,近年は中国が強豪で,アメリカ,ブルガリアなどが続く。女子は中国が圧倒的な強さを誇っている。日本は男子が,1960年のローマオリンピック56kg級(旧バンタム級)で三宅義信が銀,1964年の東京オリンピックで三宅義信は62kg級(旧フェザー級)で金メダル獲得,一ノ瀬史郎が銅,77kg級(旧ミドル級)で大内仁が銅。三宅義信は1968年のメキシコシティーオリンピックで連続して金メダルを獲得した。メキシコシティーオリンピックでは77kg級(旧ミドル級)で大内仁が銀,62kg級では三宅義信の弟の三宅義行も銅を獲得。他に,1976年のモントリオールオリンピックの56kg級で安藤謙吉が銅,62kg級で平井一正が銅,1984年のロサンゼルスオリンピックで54kg級(旧フライ級)で真鍋和人が銅,56kg級で小高正宏が銅,85kg級で砂岡良治が銅を獲得した。女子では2012年のロンドンオリンピックで三宅宏美が48kg級で銀メダルを獲得,ウェイトリフティング女子で初の快挙となった。

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世界大百科事典 第2版 「ウェイトリフティング」の意味・わかりやすい解説

ウェイトリフティング【weightlifting】

バーベルを一定の方法でもち上げて,その挙上重量を競う競技。重量挙げともいう。
[歴史]
 旧約聖書に出てくるサムソンや,日本の神話で天の岩屋戸を押し開けた手力雄神(たぢからおのかみ)に代表される怪力者の話は,昔から世界各地にあり,有史時代に入ってからもこれに似た話はいくつも残っている。例えば前6世紀ごろクロトン(現クロトーネ)のミロン(ミロ)は,子牛が成牛になるまで毎日かついで歩く訓練をして筋力を鍛えたという。

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