ウィット(Gustav Witt)(読み)うぃっと(英語表記)Gustav Witt

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウィット(Gustav Witt)
うぃっと
Gustav Witt
(1866―?)

ドイツ天文学者ベルリンのウラニヤ天文台員で、1898年8月、小惑星エロスを発見した。当時、写真観測により、光度11等、視運動1日に約0.5度角で逆行中のエロスを検出、それを追跡した結果、その軌道火星軌道の内側に入り込む特異小惑星であり、地球には約6分の1天文単位まで接近することが判明した。この機会をとらえて地心視差を測定し、1天文単位のキロメートル基準値を決定する手段を基礎づけたが、この方法によって火星の衝による方法より精度は高まった。

[島村福太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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