インド‐パキスタン戦争

山川 世界史小辞典 改訂新版 「インド‐パキスタン戦争」の解説

インド‐パキスタン戦争(インド‐パキスタンせんそう)

1947年のインド・パキスタン分離独立以降,両国は3度大規模な戦争を戦った。(1)第1次は1947年10月に起こった。独立に際し帰属を明確にしなかったカシュミール藩王国パキスタンが支援したとみられる部族侵攻があり,藩王がインドに支援を求めて戦端が開かれた。(2)第2次は1965年4月に国境のカッチ湿原で衝突が起こり,9月に西部国境沿いで全面戦争になった。(3)1971年12月の第3次戦争はバングラデシュ独立をもたらした。パキスタン軍事政権は,60年代後半から高揚しつつあったベンガルの民族自決運動を抑圧し,多量の難民を生み出した。インドは独立運動を支援したため戦争に発展した。インドは2週間あまりで東パキスタンを制圧し,初めてパキスタンを圧倒した。現在両国間の紛争の最大の原因は,ムスリム多住地域であるカシュミールの帰属問題である。99年にも同地域カールギルで戦闘があった。98年に両国は核実験を行い,南アジア地域にさらに複雑な戦略的要素を付け加えた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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