インディヘニスモ文学(読み)インディヘニスモぶんがく

百科事典マイペディア 「インディヘニスモ文学」の意味・わかりやすい解説

インディヘニスモ文学【インディヘニスモぶんがく】

ラテン・アメリカ,特にアンデス諸国における,インディオの社会的地位復権を求める文学ジャンルの一つで,19世紀後半,ペルーのクロリンダ・マット・デ・トゥルネルの《巣のない鳥》(1889年)を先駆とする。その後1920年代末,ペルーの思想家ホセ・カルロス・マリアテギが《ペルーの現実解釈のための7つの試論》(1928年)で展開した社会主義的思想を理論的支柱として,エクアドルのホルヘ・イカサが《ワシプンゴ》(1934年),ペルーのシロ・アレグリアが《世界は広く無縁なもの》(1941年)を著した。一方,同じペルーのホセ・マリア・アルゲダスは幼少時をインディオの共同体で送ったことから,インディオの精神世界を内部から描くことに成功し,彼の《深い河》(1958年)はインディヘニスモ文学の傑作とされている。また,グアテマラのミゲル・アンヘル・アストゥリアスの《とうもろこしの人間たち》(1949年)もこの分野の代表作である。
→関連項目インディヘニスモ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android