インタールード(英語表記)interlude

翻訳|interlude

精選版 日本国語大辞典 「インタールード」の意味・読み・例文・類語

インタールード

〘名〙 (interlude)
① 一五世紀にイギリスで生まれた演劇一種。それまでの道徳劇説教じみたところをなくしたもの。余興と余興の間に行なわれた幕間(まくあい)狂言からと考えられる。
間奏間奏曲

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デジタル大辞泉 「インタールード」の意味・読み・例文・類語

インタールード(interlude)

15世紀に英国で生まれた演劇の一種。それまでの道徳劇の説教じみたところをなくしたもの。
幕間まくあい。また、幕間劇
間奏。また、間奏曲

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改訂新版 世界大百科事典 「インタールード」の意味・わかりやすい解説

インタールード
interlude

ルネサンス期イギリスにおける演劇形式のひとつ。元来,2人ないしそれ以上の少数の役者の間interで演じられる劇ludusとする説と,宴会のコースの間あるいは劇の幕間に演じられる劇とする説の,二通りの解釈があるが,ふつう後者の意味をとって〈間(あい)狂言〉と邦訳される。一般に世俗的,喜劇的,笑劇的な性格をもち,王侯貴族の宮殿邸宅で演じられた。ただし,中世道徳劇の系譜を継ぐ〈道徳劇インタールード〉と称すべき,倫理的,道徳的な教訓を含む作品もある。中世にも《学僧と乙女の間狂言》(14世紀)のように,例外的にインタールードの名称をもつものもあるが,この形式の劇が隆盛するのは中世道徳劇がようやく活力を失うチューダー朝時代である。メドウォルの《ファルジェンズとルークリース》,ラステルの《4元素の劇》,ジョン・ヘイウッドの《4人のP》などが典型的な作品である。インタールードの形式に共通する寸劇は,イタリア,フランス,スペインでもほぼ同時期に盛んに演じられた。
インテルメッツォ
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インタールード」の意味・わかりやすい解説

インタールード
interlude

幕間 (まくあい) 狂言。ルネサンス期の宮廷で愛好されたコミカルな寸劇。宴会の一晩の余興番組のなかにはさまれて演じられた短い道化芝居インテルメッソ intermessoから派生したもので,これが長い劇の幕間に挿入されるようになり,イタリアでは主として牧歌劇の間に演じられる音楽的なインテルメッツオ intermezzoやインテルメジオ intermedioとなり,フランスの笑劇アントレメ entremetsの発生に影響を与えた。スペインでは,同様の起源から,歌や踊りで終るコミカルなエントレメス entremésが生じ,やがて独立した一幕喜劇へと発展した。イギリスのインタールードは,中世の奇跡劇や道徳劇とエリザベス朝喜劇とを結ぶ過渡的形態で,中世演劇の教訓性,寓話性が薄れ,写実的な色彩が強かった。インタールードを独立した短い世俗劇へ発展させた最初の劇作家は,J.ヘイウッドである。チューダー朝には宮廷おかかえの国王のインタールード座 Players of the King's Interludesがあり,宮廷や貴族の館の宴席でヘイウッドの作品などを演じた。しかしメアリー女王時代には人気が落ち,エリザベス朝の 1580年を最後に消滅した。作品としては,ヘイウッドの『4人のP』 The playe Called the foure P. P.が有名。

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