日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
イワーノフ(Georgiy Vladimirovich Ivanov)
いわーのふ
Георгий Владимирович Иванов/Georgiy Vladimirovich Ivanov
(1894―1958)
亡命ロシア詩人。1912年ごろから名を知られるようになり、主としてアクメイズムの雑誌に拠(よ)った。22年にフランスに亡命。かつてのものうい優雅な詩風は苦々しい痛みを混じえて、より簡潔に鋭く刻みあげられる。ロシアの大地からもぎ離された詩人にとって、詩はときおり天から落ちてくるバラであり一瞬の光であった。死の直前数か月間の作品を含む『詩選集』(1980)がもっともよくその全貌(ぜんぼう)を伝えている。
[小平 武]