イワウメ科(読み)イワウメか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イワウメ科」の意味・わかりやすい解説

イワウメ科
イワウメか
Diapensiaceae

双子葉植物イワウメ目の1科。北半球の周極地方と高山帯に分布し,典型的な極地高山要素とされる。ユーラシアと北アメリカ大陸に7属約 20種があり,いずれも小型の低木状で常緑。根葉はロゼットをつくる。花は短い花茎上に単生または数個がつき,5弁,5萼片花冠の基部は浅く癒合する。おしべは5または 10本で (やく) は縦に開裂する。果実は3~5室で中軸胎座,蒴果となる。イワウメ属 Diapensia,イワカガミ属 Shortiaなど,代表的な高山植物がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワウメ科」の意味・わかりやすい解説

イワウメ科
いわうめか
[学] Diapensiaceae

双子葉植物、合弁花類。常緑多年草か草状の小低木。茎は細く地をはい、常緑の厚い葉をつける。花は両性放射相称。合弁花冠は先が5裂し、雄しべは5本ときに5個の仮雄蕊(かゆうずい)がある。子房は3室で多数の胚珠(はいしゅ)がある。果実は蒴果(さくか)。北半球の温帯から寒帯にかけて分布する。6属20種があり、寒帯性のイワウメのほかはすべて北アメリカと東アジアの温帯にある。日本にはイワウメ属、イワウチワ属、イワカガミ属の3属6種が分布する。

[山崎 敬 2021年4月16日]

 APG分類でもイワウメ科とされる。この分類によると、世界に6属19種があり、日本には3属5種が自生する。

[編集部 2021年4月16日]

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