イリメニ湖(読み)いりめにこ(英語表記)Ильмень/Il'men'

改訂新版 世界大百科事典 「イリメニ湖」の意味・わかりやすい解説

イリメニ[湖]
Ozero Il'men'

ロシア連邦北西部ノブゴロド州の低地にある湖。水深10m以内,面積は季節的水位差で610~2100km2と変化する。年平均氷結日数162日。ムスタ,シェロン,ロバチ川などが流入し,流出するボルホフ川は北流してラドガ湖に注ぐ。古代ロシアではボルホフ-イリメニ-ロバチ-ドニエプルとつなぐ水路バルト海と黒海を結ぶ重要な交易路であり,湖の北8kmのボルホフ河畔に位置する古都ノブゴロドはその通商拠点であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イリメニ湖」の意味・わかりやすい解説

イリメニ湖
いりめにこ
Ильмень/Il'men'

ロシア連邦ノブゴロド州にある湖。イルメン湖ともいう。バルダイ丘陵北部のイリメニ低地にあり、標高18メートル、水深約10メートル。面積は平均水位で982平方キロメートルであるが、年や季節によって610~2100平方キロメートルと変化する。湖には南部からロバティ、シェロニ、ムスタ、ポーラなど約50の河川が流入し、北岸からボルホフ川が流出してサンクト・ペテルブルグ北部のラドガ湖に注ぐ。湖の周囲は低平で湿地になっており、湖底は平らで軟泥が堆積(たいせき)。11月から4月までは結氷する。ロシア時代にはバルト海岸地方からドニエプル川ボルガ川への交通路であった。北岸に古都ノブゴロドがある。古い年代記にはイリメルИльмер/Il'mer湖とある。

[須長博明]

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