イブンアブドアルハカム(英語表記)Ibn `Abd al-Ḥakam

改訂新版 世界大百科事典 「イブンアブドアルハカム」の意味・わかりやすい解説

イブン・アブド・アルハカム
Ibn `Abd al-Ḥakam
生没年:798ころ-871

エジプトのマーリク派法学者,歴史家で,《エジプト,マグリブ征服史》の著者。本名Abū al-Qāsim`Abd al-Raḥmān。富裕で有力な法学一家アブド・アルハカム家の一員として生まれ,おもに初期イスラム時代までのエジプトの歴史,地誌,裁判官史の記録を残した。父のアブー・ムハンマド・アブド・アッラーフAbū Muḥammad `Abd Allāh(772-829)は《ウマル2世伝》の著者で,ほかに多くの法学書を著したが,散逸した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のイブンアブドアルハカムの言及

【歴史】より

…世界史への関心と並んで著者自身に身近な地方史への関心も,9世紀には始まった。現存する最古の地方史はイブン・アブド・アルハカムの《エジプト征服とその情報(エジプト,マグリブ征服史)》で,その後,都市・州単位で多くの地方史が著されたが,その圧巻はマクリージーの《地誌》であろう。これらの地方史は,年代記的世界史にみられないきめ細かな情報を伝える点で重要な史料的価値をもつ。…

※「イブンアブドアルハカム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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