イノデ(猪の手)(読み)イノデ(英語表記)Polystichum polyblepharum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イノデ(猪の手)」の意味・わかりやすい解説

イノデ(猪の手)
イノデ
Polystichum polyblepharum

オシダ科の常緑性シダ植物。東北地方より西の暖地平地から低山地に生える。朝鮮半島にも分布している。葉は大きな塊状の根茎に密につき,四方に展開する。長さ 50~100cm。葉身は長楕円形で,2回羽状に分裂する。小羽片は先端がとがり,縁には先が毛になった鋭い鋸歯がある。葉の中軸葉柄には淡褐色または赤褐色の膜質の鱗片が密生し,基部のものは大きく,長さ 2cmにもなり,上部では毛状に近い形となる。胞子嚢群は円形で,楯形の包膜をもち,小羽片の上半部に中肋と縁の中間に並ぶ。和名は密に鱗片をかぶった若い葉を,イノシシの手になぞらえたもの。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android