イヌイット(読み)いぬいっと(英語表記)Inuit

翻訳|Inuit

精選版 日本国語大辞典 「イヌイット」の意味・読み・例文・類語

イヌイット

〘名〙 (Inuit エスキモー語で「人間」の意) アラスカ北部からカナダ北部、グリーンランドに及ぶ地域に居住する民族エスキモー自称で、カナダでは公称。→エスキモー

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デジタル大辞泉 「イヌイット」の意味・読み・例文・類語

イヌイット(〈エスキモー〉Innuit)

《人間の意》カナダに居住するエスキモーの自称。→エスキモー

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百科事典マイペディア 「イヌイット」の意味・わかりやすい解説

イヌイット

イヌイトとも。カナダ北西準州ノースウェスト・テリトリーズヌナブト)のツンドラ地帯を中心にすむ狩猟民族。名称は彼らの言葉で〈人〉の意。旧称エスキモー人口3万〜4万人でエスキモー語を使用。従来は沿岸部で海獣漁やカリブー猟を生業としたが,白人との接触以降,伝染病などのため人口が激減し,生活様式も大きく変化した。カナダ政府は定住化などを進めてイヌイットを主流社会に同化させようとしたが,1970年代以降は,独自の文化や生活を守るためのイヌイットの権利保障についてさまざまな対策が進んでいる。→イヌイット周極会議
→関連項目アメリカ・インディアンイグルーカナダカヤックグリーンランドバフィン[島]ビクトリア[島]北極地方民族スポーツレクッカラ

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知恵蔵 「イヌイット」の解説

イヌイット

エスキモーが「生肉を食う人」を意味するところから、彼ら自身の呼称で「人間」を意味する公式呼称。1993年5月、ノースウェスト・テリトリーズの東部の3分の2を割いてヌナブト(Nunavut)準州を設けることが合意され、99年4月1日に成立。初代首相はポール・オカリク。総面積は約209万平方キロで、カナダ全土の約21%、人口約2万9500。イヌイットは同準州における狩猟及び漁業の権利、総面積の18%に当たる約35万平方キロの土地の所有権を有し、その見返りとしてカナダの他地域における土地・水域に関する請求権を放棄し、連邦政府は14年間(1993〜2007年)に11億4800万ドルをイヌイットに支払うことなどが合意された。ヌナブトはイヌイット語で「われわれの土地」を意味し、先住民に自治権を認めたという意義は大きい。

(細谷正宏 同志社大学大学院アメリカ研究科教授 / 2007年)

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「イヌイット」の解説

イヌイット
Inuit

かつてはエスキモーの名で知られた北アメリカ先住民。イヌイットとは現地語で「人間」を意味する。アラスカからグリーンランドまで北極圏一帯に住み,狩猟生活にもとづいた独自の文化を保持する。過去にはインディアン法からも除外されてきたが,1939年にはカナダ連邦政府のイヌイットに対する責任が最高裁判決で認められた。99年には旧ノースウェスト準州が分割され,イヌイットが実質的な自治権を持つ新たな準州ヌナヴトが創設された。

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デジタル大辞泉プラス 「イヌイット」の解説

イヌイット

イタリア、デルタ社の筆記具の商品名。「インディジナスピープル コレクション」シリーズ。2003年発売。カナダ、アメリカ、グリーンランドなどに居住するイヌイット族をイメージ。万年筆とボールペンがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イヌイット」の意味・わかりやすい解説

イヌイット
いぬいっと

エスキモー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イヌイット」の意味・わかりやすい解説

イヌイット

エスキモー」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のイヌイットの言及

【エスキモー】より

…名称はアルゴンキン系インディアンのアブナキ語やオジブワ語などの〈生肉を食べる人〉を意味する語に由来する。カナダのエスキモーは〈ひと〉という意味の〈イヌイットInuit〉で自己を表現し,現在では公的にもこれが用いられている。また,アラスカではエスキモーが,グリーンランドではカラーリットKalaallitが一般的呼称とされている。…

【カナダ】より

…〈るつぼ〉も〈モザイク〉も現在はその概念の有効性が問われているが,カナダの場合,民族が地域的に偏在していたことが,〈モザイク〉と表現されてきた一因であろう。例えばカナダの先住民であるイヌイット(エスキモー)は,極北に居住してきた。資源開発の波が押し寄せて伝統的な生活の放棄が迫られている現在でも,彼らがその居住地まで捨てるということはない。…

【民族スポーツ】より

…挑戦は意志の続く限り,何回でも可能である。
[南北アメリカ]
 一年の大部分を雪と氷の中で生活するイヌイットは,驚くほど豊かな運動競技をもっている。わけても,痛みに耐える種目の多いのが特徴である。…

※「イヌイット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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