イスラエル占領地(読み)イスラエルせんりょうち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イスラエル占領地」の意味・わかりやすい解説

イスラエル占領地
イスラエルせんりょうち

1967年の第3次中東戦争イスラエルが占領した東エルサレムを含むヨルダン川西岸ガザ地区ゴラン高原をさす。このような占領地の出現は,イスラエルとアラブとの和平交渉の対象領土を明確にし,「領土と平和の交換」という原則を生み,パレスチナ問題に転機をもたらした。国連では安保理決議 242号,338号により,占領地に対するイスラエルの主権を拒否しているが,イスラエルは東エルサレムの併合,入植地の拡大によって占領地の支配を続行した。ゴラン高原はシリアに帰属し,第1次中東戦争でエジプトに占領されたガザ地区と,同じくヨルダンに併合されたヨルダン川西岸の帰属は不明であるが,93年9月に締結されたパレスチナ暫定自治協定によって,パレスチナ人の自治が開始されることになった。

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