イスパニア(読み)いすぱにあ(英語表記)Hispania

デジタル大辞泉 「イスパニア」の意味・読み・例文・類語

イスパニア(España)

スペイン」のスペイン語による呼称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「イスパニア」の意味・読み・例文・類語

イスパニア

(Hispania España)⸨イスパニヤ・イスパンヤ⸩ =スペイン
随筆西遊記(新日本古典文学大系所収)(1795)九「フランス国、イスパンヤ国一致仕、ヱゲレス国と合戦に及び」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イスパニア」の意味・わかりやすい解説

イスパニア
いすぱにあ
Hispania

ローマ人が用いたイベリア半島の呼称で、現在のスペイン語のEspaña、フランス語のEspagne、英語のSpainはこれに由来する。紀元前8世紀ごろに渡来したギリシア人は、同半島をイベリアIberiaとよんだ。ついで前3世紀末に第二次ポエニ戦争の過程で半島に介入したローマ人は、この呼称を継承せず、かわって「イスパニア」という名を用いた。前200年ごろの文書に初めてみられるこの呼称は、ローマ人に敵対したカルタゴ人のi-sephan-in(ウサギのいる海岸、または島)に由来するとされる。「イスパニア」は、ローマ時代と西ゴート時代を通して半島全域の名称として定着したが、ローマ時代にはティンギタニアTingitaniaとよばれた北アフリカの一部を含むこともある。

 711年に半島を征服したイスラム教徒は、これをアル・アンダルスとよんだが、これによって「イスパニア」の呼称と概念が消滅することはなかった。やがて半島北辺一帯に生まれたキリスト教諸国が弱小であり、半島の大部分がイスラム教徒の支配下にあったことから、中世前期には「イスパニア」はたびたび前記アル・アンダルスをさした。

 だが、12世紀に入ると、Españaの語形の下に、南北間の宗教相違を超えて、カスティーリャアラゴンポルトガルナバラ、アル・アンダルスなどに分裂した半島全域の総称となった。これはカトリック両王によるカスティーリャとアラゴンの連合(1479)後も続き、ポルトガルの国民的詩人カモンイス(1524ころ―80)はカスティーリャ人とポルトガル人という区別はあっても、「イスパニア人とはわれわれ全部がそうである」といった。ポルトガルが「イスパニア」から離脱してその結果「イスパニア」が現在のスペインに限られるようになったのは、スペインがポルトガルの分離独立を認めたリスボン条約(1668)以後のことである。

[小林一宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「イスパニア」の意味・わかりやすい解説

イスパニア

スペイン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「イスパニア」の解説

イスパニア

スペイン

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「イスパニア」の解説

イスパニア

スペイン

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android