イェペス

百科事典マイペディア 「イェペス」の意味・わかりやすい解説

イェペス

スペインギター奏者。スペイン南東部ロルカの生れ。バレンシア音楽院に学んだのち名指揮者A.アルヘンタ〔1913-1958〕に見出され,1947年マドリードでロドリーゴの《アランフェス協奏曲》を弾いてデビュー。その後パリエネスコギーゼキング師事。1952年,映画《禁じられた遊び》(R.クレマン監督)の音楽を担当し,世界に名をはせた。セゴビアを継ぐ世代を代表し,ギター音楽の浸透に大きな役割を果たした。低音部に4弦を加えた響きのよい10弦ギター開発(1964年)し,ギターの可能性を拡大した功績も大きい。1960年に初来日。→ギター

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改訂新版 世界大百科事典 「イェペス」の意味・わかりやすい解説

イェペス
Narciso Yepes
生没年:1927-97

スペインのギター奏者。1952年ルネ・クレマン監督のフランス映画《禁じられた遊び》の音楽を担当,スペイン民謡《愛のロマンス》を取り上げて世界中に普及させ,みずからも一躍人気奏者となった。よく響く10弦ギター(通常の6弦の低音側に4弦を追加し倍音効果の利用を目的としたもの)の考案と開発,セゴビアふうな演奏スタイルを克服して現代的な感覚を導入するなど,積極的な活動で知られている。60年以来,しばしば来日した。
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