日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アービング(Sir Henry Irving)
あーびんぐ
Sir Henry Irving
(1838―1905)
イギリスの俳優、劇場経営者。1856年初舞台を踏んだが、1871年にロンドンのライシアム劇場で翻案劇『ザ・ベルズ』の主役を演じて大成功、以後30年間イギリス劇壇に君臨した。1878年からはライシアム劇場の経営権も手に入れ、名女優エレン・テリーを相手役にハムレット、シャイロックなどシェークスピアやテニソン劇の役柄で語りぐさとなる名演技を示し、1895年には俳優として初めてのサーの称号を受けた。
スペクタクル尊重と主役優先の活動はしばしば批判の対象になったが、俳優中心時代の最後の巨星といえよう。
[中野里皓史]
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