アンタラ型転位(読み)アンタラガタテンイ

化学辞典 第2版 「アンタラ型転位」の解説

アンタラ型転位
アンタラガタテンイ
antarafacial rearrangement

ペリ環状反応において,協奏的な結合の生成と開裂が,平面的な分子骨格に対して反対側で起こる転位反応のこと.[1.j]シグマトロピー転位が典型的な例であり,原子または原子団は,π電子系の面で分割された一方の空間から他方の空間へ移動する.ウッドワード-ホフマン則によると,水素のようなs軌道の電子で結合した原子や原子団が移動する場合(図で(a)→(b)),アンタラ型転位が許容であるのは,熱反応では

j = 4n - 1
のとき,光反応では

j = 4n + 1(n整数)
のときである.[別用語参照]スプラ型転位シグマトロピー転位環状電子反応

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android