アレルギー反応(読み)アレルギーはんのう

百科事典マイペディア 「アレルギー反応」の意味・わかりやすい解説

アレルギー反応【アレルギーはんのう】

本来,生体防御作用である免疫機構が,何らかの作用で生体にとって不利益に働く場合をいう。現在,その反応の形式などの違いから,次の四つのタイプに分けられている。(1)I型:IgE抗体の関与する即時型のアレルギー反応で,ヒスタミン,ロイコトリエン,PAFなどの化学伝達物質の産生が活発になって炎症を発生させ,アレルギー性鼻炎気管支喘息,アレルギー性結膜炎蕁麻疹(じんましん),食物アレルギー,アナフィラキシーショックなどを起こす。(2)II型:血小板赤血球などの細胞膜自体が変性して抗原になったり,細胞膜の表面に抗原が付着して抗原抗体反応を起こし,細胞膜や組織を破壊する。血小板減少症,顆粒(かりゅう)球減少症,溶血性貧血,新生児溶血性黄疸のほか,血液型の違う血液の輸血によって起こる赤血球の破壊など。(3)III型:抗原と抗体が結合した免疫複合体が,組織に沈着して補体が活性化されて起こる反応である。過敏性肺炎,糸球体腎炎,過敏性血管炎,血清病,各種膠原(こうげん)病などを引き起こす。(4)IV型:白血球の中のリンパ球の一種であるT細胞が関与する反応。T細胞が抗原を排除しようとした結果炎症が生じるが,この反応は,抗原が侵入してから24〜48時間たってから起こるため,遅延型アレルギーとも言われる。結核の空洞形成,接触皮膚炎臓器移植後の拒絶反応慢性甲状腺炎橋本病),ベーチェット病などがこのタイプに属する。
→関連項目アレルギー・マーチ炎症遅延反応

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栄養・生化学辞典 「アレルギー反応」の解説

アレルギー反応

 本来防御反応である抗原抗体反応が,何らかの理由で生体にとって不利に働く免疫応答

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