アレクサンドロス[大王](読み)アレクサンドロス

百科事典マイペディア の解説

アレクサンドロス[大王]【アレクサンドロス】

マケドニア王国国王(在位前336年―前323年)。フィリッポス2世の子。アレクサンドロス3世とも呼ばれる。少年期にアリストテレス師事。父の没後コリントス同盟下のギリシアの反乱を鎮圧,前334年ペルシア(ペルシア帝国)征討のため小アジアに渡る。グラニコス,イッソスで戦勝ティルスガザを攻略,エジプトに入りアレクサンドリアを建設した。前331年ガウガメラの戦でペルシア軍に完勝,王都ペルセポリスに入りペルシア征討の目的を達する。以後東征軍を再編成,パルティアバクトリア,ソグディアナ,インド北西部パンジャブ地方にまで遠征。前324年スサに凱旋(がいせん)。東西人種融合策をとり,ペルシア人も文武官職に採用,自らは東方的絶対君主として神格化を要求。アレクサンドリアと命名した多数の都市を建設して東西交通・経済の発展,文化融合に寄与,ギリシア語を共通語とするなどヘレニズム文化の基礎を置く。アラビア周航の準備中に病没。遺将たち(ディアドコイ)の争いのため帝国は分裂し,ヘレニズム諸王国が出現した。のちにその生涯に空想や神秘をまぜた伝奇物語が各地で知られるようになった。
→関連項目アペレスアルメニア(地方)アレクサンドランアレクサンドリア(古代)エジプト(地域)カブール石棺ダレイオス[3世]ドデカネス[諸島]ヒンドゥークシ[山脈]ファランクスヘラートペルセポリスリュシッポス

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