アルミニウス(ケルスキ人の首領)(読み)あるみにうす(英語表記)Arminius

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アルミニウス(ケルスキ人の首領)
あるみにうす
Arminius
(前18ころ―後19ころ)

ゲルマン系のケルスキ人の首領。初めローマ軍に従ってローマ市民権を与えられ、騎士の栄誉を授けられた。しかし、ゲルマニア総督についたウァルスPublius Quinctilius Varus(?―9)が支配を強化しようとしたことが、ゲルマン諸族の結束と反抗を促し、アルミニウスはその指導者となった。紀元後9年、ウァルスの率いるローマ軍を、トイトブルクTeutoburgの森におびき出し全滅させた。その後もローマの支配と戦い、ゲルマニア征服を断念させた。やがて王になろうとする野心を示して民衆の反発にあい、近親の裏切りにより殺された。タキトゥスは彼を「ゲルマニアの解放者」とよんでいる。

[市川雅俊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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