アルベール(1世)(モナコ大公)(読み)あるべーる(英語表記)Albert Honoré Charles

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アルベール(1世)(モナコ大公)
あるべーる
Albert Honoré Charles
(1848―1922)

モナコ大公Prince of Monaco、海洋学のパトロンで海洋学者。カジノからの収入で海洋調査船イロンディーユ号、同2世号、プリンセス・アリス号、同2世号を建造、メキシコ湾流域、アゾレス、スピッツベルゲン方面など北大西洋の広範な海域地中海の組織的な海洋物理学、生物学的調査に従事、多くの新知見を得た。そのなかには多くの深海生物新種の発見、モナコ海淵(かいえん)の発見、海流球による大西洋表層海流図の作成、地中海深層水の大西洋への流出の発見などがある。壮麗なモナコ海洋博物館の建設、パリ大学への海洋研究所の設置寄付、地中海科学探究国際委員会総裁としての活動もあり、今日のフランス海洋学発展の基礎を築いた功労者である。

[半澤正男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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