アルプ・アルスラン(英語表記)Alp Arslan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルプ・アルスラン」の意味・わかりやすい解説

アルプ・アルスラン
Alp Arslan

[生]1030頃
[没]1073
セルジューク朝第2代のスルタン (在位 1063~73) 。チャグリ・ベグの子で,トグルル・ベグの甥にあたる。父や叔父のもとで,ガズニー朝との戦いなどに戦功をあげ,1063年トグルル・ベグの跡を継いだ。一族反乱をしずめ,ニザームル・ムルク宰相に抜擢して,彼に内政をゆだね,みずからは外征に専念。東方ではカラハン朝,ガズニー朝と和を結び,西方ではグルジア王国を従え,次いでファーティマ朝領に侵入して,アレッポを奪った。さらに 71年にはバン湖の北のマンジケルト (現在のマラズギルド) におけるビザンチン軍との会戦に大勝利を得 (→マンジケルトの戦い ) ,皇帝ロマヌス4世を捕え,以後のトルコ人による小アジア征服への道を開いた。しかし,翌 72年,カラハン朝との関係が悪化し,中央アジアに遠征中重傷を負い,没した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android