日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルフォンソ(5世)」の意味・わかりやすい解説
アルフォンソ(5世)
あるふぉんそ
Alfonso V
(1396―1458)
トラスタマラ朝アラゴン連合王国の二代目の王(在位1416~1458)。地中海における13世紀以来の政治的威信とカタルーニャ人による交易活動を守るために、終始、内政よりも対外政策に専念した。まずシチリアとサルデーニャ両島の支配を固め、ついでジェノバやフランスのアンジュー公家などと戦い、幾度か敗れたが、優れた外交手腕で苦境を切り抜けた。その後1442年6月にはついにナポリ王国を征服してその王位についた。この後さらに、おりから興隆期のオスマン・トルコに対抗してバルカン半島への進出を試みたが、成功しなかった。武人アルフォンソは、一方では文人でもあった。ナポリの宮廷にイタリア・ルネサンスを体現する多くの学者を迎え、「寛大王el Magnánimo」とよばれた。自らも神学や文献学に精通するなどルネサンス期支配者の典型例であった。
[小林一宏]
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