日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アルバレズ(Luis Walter Alvarez)
あるばれず
Luis Walter Alvarez
(1911―1988)
アメリカの物理学者。シカゴ大学で学位を取得し、カリフォルニア大学へ移り、1945年同大学教授となる。第二次世界大戦中はマサチューセッツ工科大学、ロス・アラモスで、レーダーと原子爆弾の開発(マンハッタン計画)に従事した。戦後、バークリーで陽子線形加速器を建設、その後ベバトロンを使った高エネルギー物理学の研究を行った。このとき、検出器の不備を感じ、グレーザーが発明した泡箱(あわばこ)を実用化し、さらに電子計算機による処理法を確立した。これにより、戦後発見された素粒子に特徴的な量子数であるストレンジネスをもった寿命の短い素粒子などを多数発見し、1968年ノーベル物理学賞を受けた。息子で地質学者のウォルターWalter Alvarez(1940―)との対話をきっかけに、地球を大規模に覆う隕石(いんせき)起源と思われるイリジウム層を発見し、巨大隕石の衝突による恐竜死滅説を1980年に提出した。
[山崎正勝]
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