アルドール(読み)あるどーる(英語表記)aldol

デジタル大辞泉 「アルドール」の意味・読み・例文・類語

アルドール(aldol)

アルコールアルデヒド両方性質をもつヒドロキシアルデヒド粘性の高い無味無臭液体ゴム加硫促進剤や香料原料として用いられる。示性式CH3CH(OH)CH2CHO

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルドール」の意味・わかりやすい解説

アルドール
あるどーる
aldol

正しくはアセトアルドールまたは3-ヒドロキシブチルアルデヒドという。アルコールとアルデヒドの両方の性質を兼ね備えているヒドロキシアルデヒドの一つ。85℃で脱水反応をおこしてクロトンアルデヒドになるので、常圧における沸点は測定できない。無色で粘りけのある液体である。アセトアルデヒドに水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水溶液を作用させると得られる。この反応は酸を触媒として用いてもおこるが、アルドールの合成法としては水酸化ナトリウムの水溶液を触媒とするのが適当で、1分子のアセトアルデヒドがもう1分子のアセトアルデヒドのカルボニル基=Oに付加してアルドールを生成する。この反応はアルドール反応とよばれている。アルドールはゴムの加硫促進剤、香料の合成原料などの用途をもつ。

[廣田 穰]

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化学辞典 第2版 「アルドール」の解説

アルドール
アルドール
aldol

3-hydroxybutanal,3-hydroxybutyraldehyde.C4H8O2(88.10).CH3CH(OH)CH2CHO.2分子のアセトアルデヒドアルカリの存在下にアルドール縮合させると得られる.無色,無臭の液体.沸点77 ℃(2.1 kPa).1.109.水,エタノール,エーテルに易溶.常圧で蒸留すると大部分は脱水されてクロトンアルデヒドとなる.ブタジエン製造,加硫促進剤,香料などに用いられる.[CAS 107-89-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルドール」の意味・わかりやすい解説

アルドール

アルドール縮合」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のアルドールの言及

【アルドール縮合】より

…アルデヒドRCHOまたはケトンR1COR2が2分子反応してアルドール(β‐ヒドロキシアルデヒドまたはβ‐ヒドロキシケトン)を生成する反応。1872年にフランスの有機合成化学者C.A.ウルツにより,アセトアルデヒドの2分子付加反応でアルドール(β‐ヒドロキシブタナール)が生成することが発見され,これにちなんでこの種の反応を一般的にアルドール縮合と呼ぶようになった。…

※「アルドール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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