アルコール事業法(読み)あるこーるじぎょうほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルコール事業法」の意味・わかりやすい解説

アルコール事業法
あるこーるじぎょうほう

食品や化学製品の原料に用いる工業用アルコールの専売制度を廃止し、民間による流通管理を認めた法律。平成12年法律第36号。2000年(平成12)4月公布、2001年4月施行。これに伴い、アルコール専売法およびアルコール専売事業特別会計法は廃止された。みそしょうゆなど食品の防腐剤や化粧品などの原料として使われる工業用アルコールは、1937年(昭和12)に専売制となり、政府が生産計画を立て、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などに生産を委託全量を国が買い取り、指定卸売業者を通じて、全国一律価格で食品会社などへ供給していた。工業用アルコールは酒類と同じくエチルアルコールエタノール)であるため、流通段階において酒類に転用されないよう管理することが専売の目的だった。法実施後は、工業用アルコールの製造・輸入・販売・使用は許可制となり、酒類への転用を防止するため数量管理は徹底されている。

中村 稔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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