アランソン(英語表記)Alençon

改訂新版 世界大百科事典 「アランソン」の意味・わかりやすい解説

アランソン
Alençon

フランス北西部,ノルマンディー地方,オルヌ県県都。人口3万1000(1990)。アルモリカン山地東端をなす〈エクーブの森〉の麓にあり,ロアール川支流のサルト川上流に面する。17世紀以来のレース工業で知られ,ノートル・ダム教会(15~18世紀)はゴシックフランボアイヤン様式で名高い。周囲のアランソン平野ではボカージュと呼ばれる生垣に囲まれた耕作地と開けた小麦畑が混在し,牧畜乳牛)が盛んである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アランソン」の意味・わかりやすい解説

アランソン
あらんそん
Alençon

フランス北西部、オルヌ県の県都。人口2万8935(1999)。パリの西195キロメートル、サルト川に沿う。8世紀からの古い町で、ゴシック様式大聖堂で知られる。17世紀中ごろに始まったポアン・ダランソンpoint d'Alençonというレース編が盛んである。第二次世界大戦によって大きな被害を受けたが、戦後機械電気工業を中心とした新しい工業化は、行政・商業機能の充実とともに人口増加を促した。大聖堂(15~16世紀)、美術館、レース博物館など歴史的建造物も多い。

[高橋伸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アランソン」の意味・わかりやすい解説

アランソン
Alençon

フランス北西部,オルヌ県の県都。サルト川とブリアント川の合流点に位置する。 17世紀にベネチアから導入されたレースやチュール (網状の薄絹) の生産で知られる。第2次世界大戦末期に戦火を受けたが,中世のメゾンドゼや 18世紀の市役所などが残っている。リジューの聖テレーズは 1873年にここで生れ,ノートル・ダム聖堂 (13~18世紀建造) で洗礼を受けた。人口3万 1139 (1990) 。

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