アラウィ派(読み)アラウィは

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラウィ派」の意味・わかりやすい解説

アラウィ派
アラウィは

4代目カリフ,アリーを支持する人々という意味。第1次世界大戦まではヌサイル派と呼ばれていた。イスラム教シーア派の過激分派で,シリアのラタキア地方を中心に,一部はレバノントルコイランに広がっている。シリアでは人口の1割を占める。正統派イスラム教徒からは異端視されていたため,第2次世界大戦後,世俗主義を指向するバース党が結成されて以来,それを基盤として政治活動を展開する傾向が強い。フランス委任統治時代の政策で軍隊への入隊割合が高く,戦後しだいに軍部の重要ポストに接近する力を蓄えてきた。ハーフィズ・アル・アサド現大統領の出身宗派であるが,イスラム性の弱さから,アサドの大統領としての正統性に対しても疑問視する向きがあって,政権の不安定要因の一つとなっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android