アメリカン航空(読み)アメリカンこうくう(英語表記)American Airlines、 Inc.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アメリカン航空」の意味・わかりやすい解説

アメリカン航空
アメリカンこうくう
American Airlines

アメリカ合衆国の大手航空会社。テキサス州フォートワースを拠点として,2011年現在約 50ヵ国,およそ 160都市に乗り入れる世界最大級の航空会社。1926年チャールズ・A.リンドバーグによる史上初の郵便輸送便に始まり,やがていくつかの航空会社が合併し,1930年アメリカン・エアウェイズとしてボストンニューヨークからロサンゼルスサンディエゴへ大陸横断の定期運航も開始した。これが 1959年アメリカ国内初の大陸横断ジェット便に発展する。1934年現社名に変更。1970年代から 1990年代にかけては国内線拡充とともに国際線も展開,1998年航空会社として初めて世界的なコンピュータ・ネットワークを構築,座席予約システムならびに発券システムを導入した。これが予約システム大手の SABREグループに発展し,本体の航空会社とともに,AMRグループとなった。2001年にはトランスワールド航空傘下収め,世界約 50ヵ国で毎日 3300便の定期航空運航するにいたった。しかし競争激化のなか人件費膨張など経費高騰が響き,財務的な困難も増して,2011年11月アメリカ連邦破産法11条の適用を申請した。これにより経費構造を抜本的に見直し,通常通りの運航を続けながら,財務体質の改善に取り組んだ。2011年現在,保有機は 600機以上。

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知恵蔵 「アメリカン航空」の解説

アメリカン航空

米国の航空会社。2013年2月、同国のアメリカン航空とUSエアウェイズが合併する計画と、合併後は新会社として「アメリカン航空」を名乗ることが発表された。航空会社の連合体であるアライアンスはワンワールドに所属し、13年12月には新たな出発を迎える。
新会社は業界大手2社の合併により、株式時価総額110億ドル、輸送実績や売り上げ試算ユナイテッド航空(合併前の首位)を上回り、世界最大の規模となる。新会社の最高経営責任者(CEO)には、USエアウェイズのCEOが就任する。
旧アメリカン航空は、米国各地の航空会社のグループとして出発し、1930年にニューヨークを拠点とする大手航空会社として発足ジェット機の積極的導入で、国際・国内便の市場を拡大して本拠地ダラスに移転。2001年9月のアメリカ同時多発テロでは、事件に巻き込まれつつも、徹底したコストダウンで辛くも破産をまぬがれた。しかし、その後の燃料費高騰にさいなまれ、11年末には連邦倒産法の申請に至っている。
USエアウェイズは、1939年にピッツバーグで航空郵便を扱う航空会社として出発。その後合併を繰り返し、業容を拡大するが、同時多発テロ以降の航空不況による業績悪化を乗り切れず連邦倒産法を適用。2005年には新興のアメリカウエスト航空に吸収される形で、本拠アリゾナに移して旧社名を存続した。今回の合併前までは、アライアンスは全日空と同じスターアライアンスに加盟していた。
両社の合併は寡占を招き消費者利益を損なうとして、米国司法省や各州が反対していたが、13年11月には一部発着枠放棄などの条件を満たすことで合意に達した。なお、日本航空もワンワールドに加盟しており、合併前から旧アメリカン航空とコードシェア便を運航している。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「アメリカン航空」の解説

アメリカン航空

米国・テキサス州フォートワースに本社を置く航空会社。国際航空連合ワンワールド加盟。1926年に創業し、34年より現社名となる。79年に本社をニューヨーク市から現在地へ移転し、81年にハブ空港としてダラス・フォートワース国際空港を開設。82年にAMRコーポレーションの子会社となった。2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件で同社の国内線がハイジャックされたことから利用客が激減し、経営が悪化。11年11月に親会社のAMRが米連邦破産法第11条の適用を申請し、経営再建を進めてきたが、同国の航空会社USエアウェイズ・グループからの提案を受け、13年2月、同社との合併に合意した。合併会社はアメリカン航空の社名を引き継ぎ、本社と加盟国際航空連合も現在のまま維持される。同年秋の発足を目指しており、実現すれば旅客輸送量で世界最大規模の航空会社となる。

(2013-2-18)

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