アメリカマムシ(読み)あめりかまむし(英語表記)copperhead

翻訳|copperhead

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アメリカマムシ」の意味・わかりやすい解説

アメリカマムシ
あめりかまむし
copperhead
[学] Agkistrodon contortrix

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目クサリヘビ科のヘビ。同科マムシ亜科に属する北アメリカ産の毒ヘビ。アメリカ合衆国東部地方に分布し、生息地域によって5亜種に分類される。全長60~90センチメートル、最大1.3メートルほどで、北アメリカ産の毒ヘビではむしろ小形である。体の背面黄褐色から赤褐色まで変異があり、十数個の黒く縁どりされた幅広い帯状の斑紋(はんもん)があるが、亜種によって模様が異なる。丘陵地から山地にかけて岩の多い森林にすみ、毒性は強いが性質は温和。卵胎生夏期に2~6匹ほどの子ヘビを産む。餌(えさ)はトカゲカエル、小哺乳(ほにゅう)類および昆虫などである。

[松井孝爾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アメリカマムシ」の意味・わかりやすい解説

アメリカマムシ
Agkistrodon contortrix; North American copperhead

トカゲ目クサリヘビ科。体長 70~100cm。日本のマムシ近縁の毒ヘビで,体に美しい斑紋をもつ。上顎前端管状毒牙を1対そなえている。毒はおもに出血毒卵胎生で,1腹に6匹ぐらいの子ヘビを生む。北アメリカ東部と南東部の森林などに分布し,おもに小型哺乳類を捕食する。

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世界大百科事典(旧版)内のアメリカマムシの言及

【マムシ(蝮)】より

…アメリカ合衆国産ヌママムシA.piscivorus(英名water moccasin)とメキシコ産メキシコマムシA.bilineatus(英名Mexican moccasin)は全長1~1.5m,胴が太くともに危険種で,前者はとくに攻撃的。アメリカマムシA.contortrix(英名copper head)は全長1~1.2m,色彩,斑紋が美しい。マムシ類は日本や南アジアで薬用酒や民間薬としても利用される。…

※「アメリカマムシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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