日本大百科全書(ニッポニカ) 「アムンゼン(織物)」の意味・わかりやすい解説
アムンゼン(織物)
あむんぜん
amunzen
amundsen
ドビーで織った一種の梨地(なしじ)織。アムンゼンはもと梳毛(そもう)織物の一つで、特別の品種ではなく、単に梨地(繊維用語で、織物面にナシの外観に似せた小さな点を表したもの)に織ったものであった。1930年(昭和5)に、尾張(おわり)(愛知県)地方で、加工しにくかった梳毛織物の捺染(なっせん)が可能となり、市場に売り出されるが、その前に探検家アムンゼンが極地探検に成功し、来日していたので、それにあやかりこの名がついた。1950年(昭和25)ごろから木綿、化繊織物などに使われ、無地染め、捺染され、婦人子供服地に用いられている。
[角山幸洋]