アポイ岳(読み)アポイダケ

デジタル大辞泉 「アポイ岳」の意味・読み・例文・類語

アポイ‐だけ【アポイ岳】

北海道中南部、日高山脈南端にある山。橄欖岩かんらんがんからできている。標高811メートル。高山植物群落は、特別天然記念物に指定されている。

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日本歴史地名大系 「アポイ岳」の解説

アポイ岳
あぽいだけ

日高地方東部、様似町の太平洋岸にある山。標高八一〇・六メートル。日高山脈襟裳ひだかさんみやくえりも国定公園特別保護地区のうち。日高山脈南部主稜から南西に下る支稜末端部の南北方向の高まり。東は幌満ほろまん川の谷で浸食され急斜面、南から南西へは太平洋に向かって緩やかに下り末端は日高耶馬渓ひだかやばけいとよばれる断崖絶壁をなすが、西側へは山腹斜面が広がり、末端は裾野になる。山頂北の稜線鞍部に続くピンネシリ(標高九五八・二メートル)の山体や、幌満川左岸にそびえる標高六八五・四メートルの峰の山体を合せアポイ山塊とよばれ、その雄大な山容は古くは航海の目印とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アポイ岳」の意味・わかりやすい解説

アポイ岳
アポイだけ

北海道南部,日高山脈の南西部にある山。標高 810m。様似町に属する。千島列島カムチャツカ半島,およびシベリア方面で育つ寒地植物と,山体をなす橄欖岩土壌で成長するヒダカソウエゾコウゾリナ,サマニユキワリ,アポイセキショウなど,約 80種の希少植物あるいは固有植物の宝庫といわれ,1952年にアポイ岳高山植物群落として特別天然記念物に指定された。また,ヒメチャマダラセセリやアポイマイマイ,エゾナキウサギ(→ナキウサギ)といった珍しい動物も生息する。一帯日高山脈襟裳国定公園に含まれる。

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百科事典マイペディア 「アポイ岳」の意味・わかりやすい解説

アポイ岳【アポイだけ】

北海道日高地方,様似町中央部にある山。標高は810mと決して高い山ではないが,塩基性栄養素の乏しい地質であること,太平洋岸から約4kmと近く夏場に海霧の影響を受けて気温があまり上がらないことなどから,高山植物の宝庫として知られている。山の名前を冠した固有植物も多く,山一帯は高山植物群落として国の特別天然記念物に指定されている。登山口の冬島には,宿泊施設や展示・案内を行うビジターセンターなどがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アポイ岳」の意味・わかりやすい解説

アポイ岳
あぽいだけ

北海道日高振興局管内の様似町(さまにちょう)にある山。日高山脈南端の海岸に面し、標高810メートル。高くはないが高山植物の宝庫として知られ、その群落が国の特別天然記念物に指定されている。山腹から頂上にかけてハイマツの群落が発達し、そのなかに高山植物は80種以上を数え、なかでもヒダカソウ、エゾコウゾリナなどはここ以外にはみられない。1981年(昭和56)日高山脈襟裳(えりも)国定公園の一部となり、全山が特別保護地区および第1種特別地域となっている。

[柏村一郎]


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世界大百科事典(旧版)内のアポイ岳の言及

【様似[町]】より

…製材などの工場が立地し,競走馬の育成が伸長している。襟裳道立自然公園の入口に当たり,アポイ岳(811m)の高山植物群落は特別天然記念物に指定されている。【岡本 次郎】。…

※「アポイ岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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