アブドゥル・ラフマーン(1世)(読み)あぶどぅるらふまーん(英語表記)‘Abd al-Ramān Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アブドゥル・ラフマーン(1世)
あぶどぅるらふまーん
‘Abd al-Ramān Ⅰ
(731―788)

後(こう)ウマイヤ朝の建設者(在位756~788)。ウマイヤ朝第10代カリフ、ヒシャームの孫。750年、アッバース朝によるウマイヤ家虐殺に際し、彼のマウラー(解放奴隷)、バドルとともに、シリア、エジプトを経てマグリブへ逃亡し、755年にはイベリア半島へ渡った。翌756年、アル・アンダルスの支配者、ユースフを破ってコルドバに入城、アミール(君主)位を宣言して後ウマイヤ朝を創始した。32年間に及ぶ治世は、アラブ人とベルベル人の対立抗争や反乱、キリスト教徒との戦いなどによって不安定であったが、ウマイヤ朝の行政・軍事制度の導入と、巧みな政治的手腕とによって王朝発展の基礎を確立した。その成功により「クライシュの鷹(たか)」の異名をとる。フランク王国のカール大帝とのサラゴサの戦い(778)は『ロランの歌』として有名である。

[私市正年]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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