精選版 日本国語大辞典 「アフリマン」の意味・読み・例文・類語
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…〈英智(マズダー)の主(アフラ)〉の意。ゾロアスター自身の教えでは創造神,最高神であったが,ササン朝期の二元論的教義においては,悪と暗黒の邪神アフリマンAhrimanと対立する善と光明の神と位置づけられるようになった(当時はオフルマズドと発音)。その神像は王冠をいただいた,飛翔する有翼の人物として表現され,ビストゥン,ペルセポリスなどにその例が見られる。…
…以下,錯綜(さくそう)するイランの神話世界――古代においては神話とはしばしば教義と同一である――を,便宜上宇宙論と終末論に分けて概観する。
[宇宙論]
ササン朝期の中世ペルシア語文献によれば,イランの歴史的時間は1万2000年よりなり,これはさらに善神オフルマズド(アフラ・マズダの中世語形)と悪神アフリマンとの戦いの様相によって,四つの時期に等分される。この世界の初めにおいては,オフルマズドの上方の光明界とアフリマンの下方の暗黒界とは,虚空によって完全に分離されて存在していた。…
…これに反して,ゾロアスターの死後の第2段階では,アベスターのヤシュト書に見られるように,インド・イラン共通時代の神々(ミスラ,アナーヒターなど)がゾロアスター教のパンテオン中に復活した。第3段階のササン朝期の二元論的教義では,アフラ・マズダ(中世語形でオフルマズドOhrmazd)はスパンタ・マンユと同一視され,直接アフリマンAhriman(アンラ・マンユの中世語形)と対立することになった。この結果,両者をともに超越する根本原理として,ズルバーンZurvān(時)を定立する,いわゆるズルバーン教が勢力を得た。…
※「アフリマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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