日本大百科全書(ニッポニカ) 「アバ(外衣)」の意味・わかりやすい解説
アバ(外衣)
あば
aba 英語
abba 英語
abayeh アラビア語
北アフリカ、トルコ、アラビアなどのイスラム教徒が用いる、ゆったりとした外衣。頭と腕を通すためのあきをつくった四角いマント風のもので、一般的にはラクダやヤギの粗毛織物の縞(しま)や無地木綿が、上流階級では絹地が用いられる。アバは、砂漠地帯の激しい直射日光を避けるという物理的機能をもち、乾燥気候のイスラム教国圏には、ハイクhaïk、チャドリchadori、ブルクワburquaなど、同形のものが多い。イスラム教の戒律に従い、とくに女性が外出時に他人に顔を見られないように着用するものも含まれる。またアバは、粗いウール地の名でもある。Haba, abadjehともつづる。
[深井晃子]