アニソール(英語表記)anisole

改訂新版 世界大百科事典 「アニソール」の意味・わかりやすい解説

アニソール
anisole


フェノールメチルエーテル。快い芳香をもつ無色液体で,融点-37.5℃,沸点153.85℃。水には溶けないが,アルコールエーテルなどほとんどの有機溶媒に溶ける。ヨウ化水素酸と130℃に加熱すると,フェノールとヨウ化メチルに分解する。硫酸ジメチルとフェノールをアルカリ溶液中で反応させて合成する。溶剤香料駆虫剤,有機合成原料などに利用され,ブチルヒドロキシアニソール(BHA)は食品の酸化防止剤として使用される。
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化学辞典 第2版 「アニソール」の解説

アニソール
アニソール
anisole

methoxybenzene,methyl phenyl ether.C7H8O(108.14).C6H5OCH3.フェノールを硫酸ジメチルでメチル化して合成される.特有の強い香りをもつ液体.融点-37 ℃,沸点155~156 ℃.0.9988.1.5150.香料そのほかの有機合成原料,溶剤として用いられる.[CAS 100-66-3]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アニソール」の意味・わかりやすい解説

アニソール
あにそーる
anisole

芳香族エーテル一つ。メトキシベンゼンともいう。

 強い芳香をもつ無色の液体。フェノールから製造する。水には溶けないが、アルコールやエーテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。ヨウ化水素酸を作用させるとフェノールになる。香料や殺虫剤の合成原料、また有機溶剤として利用される。

[徳丸克己]

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百科事典マイペディア 「アニソール」の意味・わかりやすい解説

アニソール

化学式はC6H5OCH3。芳香のある無色の液体。融点−37.5℃,沸点153.8℃。水に不溶,有機溶媒に可溶。香料,有機溶剤として用いられる。フェノールのナトリウム塩に硫酸ジメチルを反応させるなどして作る。(図)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アニソール」の意味・わかりやすい解説

アニソール
anisole

化学式 C6H5OCH3 。メトキシベンゼンのこと。香気ある液体。沸点 155℃。フェノールのメチル化によって得られる。アルコール,エーテルに可溶,水に不溶。香料,合成原料,溶剤に用いられる。

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