アデノシン

精選版 日本国語大辞典 「アデノシン」の意味・読み・例文・類語

アデノシン

〘名〙 (adenosine) アデニンリボース(糖)とが結合したもの。リボ核酸(RNA)の構成成分。

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デジタル大辞泉 「アデノシン」の意味・読み・例文・類語

アデノシン(adenosine)

アデニンリボース(糖)とが結合したもの。核酸DNARNA)を構成するヌクレオシド一つ

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化学辞典 第2版 「アデノシン」の解説

アデノシン
アデノシン
adenosine

9-β-D-ribofuranosyladenine.C10H13N5O4(267.42).代表的なプリンヌクレオシドの一つで,リボ核酸や核酸補酵素の成分として生体内に存在する.適当なアデニン誘導体,あるいはその金属塩をペンタアセチル-D-リボフラノースと溶融縮合するか,あるいはアセトハロゲノ-D-リボフラノースと縮合させたのち,保護基を除いて合成する.また,リボ核酸の加水分解物から分離することもできる.針状晶.融点234~236 ℃.-63.0°(水).pKa 3.3(NH2基),12.5(糖のOH基).λmax 259 nm(ε 15.4×103,pH 7).酸によりアデニンとリボースに加水分解し,亜硝酸を作用させるとイノシンとなる.[CAS 58-61-7]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アデノシン」の意味・わかりやすい解説

アデノシン
あでのしん
adenosine

ヌクレオシドの一種プリン塩基の一種であるアデニンがD-リボースと結合したもの。デオキシ-D-リボースに結合したものは、デオキシアデノシンとよぶ。アデノシンにリン酸エステル結合したものがアデニル酸、リン酸が3分子結合したものがアデノシン三リン酸ATP)である。そのほか、NAD(ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド)や補酵素Aなどの重要な補酵素の構成成分でもあるが、通常、単独では生体内にほとんど存在しない。ストレス時にある種の細胞から放出され、アデノシン受容体を表面にもつ細胞に結合し、シグナル伝達に影響を与える。

[笠井献一]

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栄養・生化学辞典 「アデノシン」の解説

アデノシン

 C10H13N5O4 (mw267.25).

 プリン塩基であるアデニンとリボースからなる図に示した化合物.5位が1分子のリン酸エステルとなった分子がアデニル酸(アデノシン5-一リン酸,AMP),2分子とエステルを作るとアデノシン5-二リン酸(ADP),3分子とエステルを作るとアデノシン5-三リン酸(ATP),3,5にリン酸がジエステル結合するとサイクリックAMP(環状アデノシン一リン酸,cAMP)となる.RNAの成分であるほか,ATPは高エネルギーリン酸化合物として生体のエネルギー代謝で重要な働きをし,cAMPは,第二メッセンジャーとして,生体の情報伝達で重要である.アデノシン自体にもホルモン様活性がある.

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