アップダイク(英語表記)Updike, John

デジタル大辞泉 「アップダイク」の意味・読み・例文・類語

アップダイク(John Hoyer Updike)

[1932~2009]米国小説家雑誌ニューヨーカー」の専属ライターとしてキャリアを積み、長編小説「走れウサギ」で地位を確立。同作はシリーズ化され、続編ピュリッツァー賞を2度受賞した。他の作品に「カップルズ」「クーデタ」「イーストウィックの魔女たち」などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アップダイク」の意味・わかりやすい解説

アップダイク
Updike, John

[生]1932.3.18. ペンシルバニア,レディング
[没]2009.1.27. マサチューセッツ,ダンバーズ
アメリカ合衆国の小説家,詩人。フルネーム John Hoyer Updike。子供の頃から創作を始め,1954年ハーバード大学を最優等で卒業後,画家を志してイギリスのオックスフォードの美術学校に進んだが 1年後に帰国。雑誌『ニューヨーカー』のスタッフとなり,短編,詩,随筆を発表。第一詩集『手作りの雌鶏』The Carpentered Hen and Other Tame Creatures(1958)を出版後,小説『プアハウス・フェア』The Poorhouse Fair(1958)でアメリカ芸術院賞,神話をふまえて現代人の不毛な生を描いた『ケンタウロス』The Centaur(1963)で全米図書賞を受賞。そのほか,無意味な日常生活からの逃亡を企てる青年を主人公とする『走れウサギ』Rabbit, Run(1960),郊外に住む知的な若夫婦たちの空虚な性を扱った話題作『カップルズ』Couples(1968),『ベック』Bech: A Book(1970),ピュリッツァー賞を受賞した『金持になったウサギ』Rabbit Is Rich(1981)と『さようならウサギ』Rabbit at Rest(1990),短編集『鳩の羽根』Pigeon Feathers(1962)などがあり,現代アメリカの風俗を巧緻でしゃれた文体で描いた。(→アメリカ文学

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改訂新版 世界大百科事典 「アップダイク」の意味・わかりやすい解説

アップダイク
John Hoyer Updike
生没年:1932-2009

アメリカの小説家,詩人。ペンシルベニア州シリングトンに生まれ,ハーバード大学を優等で卒業,オックスフォード大学ラスキン美術学校に留学後,《ニューヨーカー》の編集員を経て作家生活に入る。《救貧院の祝祭日》(1959)で注目され,日常生活から逃亡する若者の生の不安を描いた《走れウサギRabbit,Run》(1960)で人気を博し,神話的世界と現代を対置して初老の教師の苦悩を描いた《ケンタウロス》(1963)で全米図書賞を受けた。洗練された詩的文体でニューヨーカー派の風俗作家と目されているが,平凡な市民生活に題材を求め,愛,自由,救済といった神学的主題を追究しているのが特色。ほかに性を描き話題を呼んだ《カップルズ》(1968),《帰ってきたウサギ》(1970),《ウサギはお金持》(1981),短編集《鳩の羽根》(1962),詩集《中間点》(1969),評論集《一人称単数》(1965)などがある。
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百科事典マイペディア 「アップダイク」の意味・わかりやすい解説

アップダイク

米国の小説家,詩人。洗練された文体で高く評価されている。小説《走れ,うさぎ》(1960年)で声価を確立。同作品からほぼ10年ごとに発表されている〈ウサギ〉4部作で時代ごとの風俗を描きつつ,宗教的思索も深めている。《ケンタウロス》(1963年),《結婚しよう》(1976年),短編集《鳩の羽根》(1962年,全米図書賞受賞)などのほか,評論も多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アップダイク」の意味・わかりやすい解説

アップダイク
あっぷだいく

アプダイク

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世界大百科事典(旧版)内のアップダイクの言及

【ニューヨーカー】より

…都会的な洗練された雑誌といわれ,部数は約50万部(1980)とアメリカでは少ないが,短編,美術評,漫画などの部門がつねに高く評価されている。作家ではT.カポーティ,J.H.アップダイクがニューヨーカー派とみられ,漫画家ではソール・スタインバーグがこの週刊誌の出身。【常盤 新平】。…

※「アップダイク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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