アダン・ド・ラ・アル(英語表記)Adam de la Halle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アダン・ド・ラ・アル」の意味・わかりやすい解説

アダン・ド・ラ・アル
Adam de la Halle

[生]1250頃.アラス
[没]1306頃.イタリア
フランス吟遊詩人劇作家。「せむしのアダン」 Adam le Bossuのあだ名をもつ。パリで勉学,のち劇作により北フランスの生れ故郷の町アラスの名を高めた。 C.ダンジューに従ってイタリアにおもむき,そこで没す。代表作『葉蔭の劇』 Jeu de la Feuillée (1276頃) は作者自身とアラスの近親ら実在人物を登場させ滑稽な言動を風刺し,15世紀のソティ (阿呆劇) の先駆となる作品。また『ロバンマリオン』 Jeu de Robin et Marion (85頃) は騎士と牧人の男女が織りなす田園抒情詩が主題で,世俗音楽を最初に使用したオペラ・コミックの始りといえる牧歌劇

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百科事典マイペディア 「アダン・ド・ラ・アル」の意味・わかりやすい解説

アダン・ド・ラ・アル

フランスのトルベール(吟遊詩人)。初めアルトア伯ロベール2世に,のちシチリア王アンジュー伯に仕えた。牧歌風の《ロバンとマリオンの劇》(1285年ころ)は現存する世俗音楽劇の最古のものとして知られる。

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