日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アダムズ(Walter Sydney Adams)
あだむず
Walter Sydney Adams
(1876―1956)
アメリカの天文学者。天体物理学とくに恒星分光学の実地研究での先駆的指導者。1898年ダートマス大学卒業後、ドイツに留学。1901年ヤーキス天文台助手となり、1904年ヘールの招きでウィルソン山天文台に移り、副台長を経て、1923年から1946年まで天文台長を務めた。1931~1934年アメリカ天文学会長、1935~1949年国際天文学連合副会長。1914年、恒星のスペクトル線を判別して、巨星と矮星(わいせい)とを区別し、分光視差法を確立した。1925年エディントンの示唆に基づき、シリウスの伴星のスペクトル線に、重力効果による赤方偏移を検出、白色矮星の高密度と、アインシュタインの相対性理論の証拠とを実証した。なお、スペクトル線のドップラー効果を測定して、地球の公転速度、太陽の自転速度、恒星の視線速度などを精査した。
[島村福太郎]
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