アズキ(小豆)(読み)アズキ(英語表記)Phaseolus angularis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アズキ(小豆)」の意味・わかりやすい解説

アズキ(小豆)
アズキ
Phaseolus angularis

マメ科インゲン属の栽培植物。中国大陸と日本の原産とされる。栽培の歴史はきわめて古い。一年草で高さ 40~60cmとなり,3小葉から成る複葉を互生する。花は淡黄色の蝶形花で,花後に長さ5~10cmの細長い円筒形の莢をつける。中に楕円形光沢のある紅紫色種子 (いわゆる小豆) が数個ある。栽培品種が非常に多く,種子の形,大きさ,色などもさまざまである。別属のササゲ Vigna sinensisとともに菓子用,特にあん用に需要が多い。おもな品種として大納言,白小豆などがある。また,昔から食物を赤く染めるのに用いられ,小正月や大師講小豆粥,祝日や神祭りの小豆飯などのように吉事に食される。また野辺送りなど凶事から帰ったあと食される場合もある。

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百科事典マイペディア 「アズキ(小豆)」の意味・わかりやすい解説

アズキ(小豆)【アズキ】

中国原産の一年生マメ科作物。高さ30〜60cm。葉は3小葉からなり,夏に黄色の蝶(ちょう)形花をつける。さやは細長い円筒形,長さ10cm内外,黄〜褐色を帯び,中に3〜10個の赤褐色の種子をつける。春〜初夏に種まき,夏〜秋に収穫。品種は大納言,シロアズキなど約50種。主産地は北海道。赤飯,小豆飯としたり,あんとし菓子類に用いる。アフリカ等の熱帯で栽培されるササゲ(カウピーとも)は,種皮赤色で大きさもアズキに似ているためアズキの代用としてあんなどに用いられる。

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