アジ化ナトリウム(読み)アジカナトリウム

デジタル大辞泉 「アジ化ナトリウム」の意味・読み・例文・類語

アジか‐ナトリウム〔‐クワ‐〕【アジ化ナトリウム】

ナトリウムアジ化物無色結晶六方晶系。加熱するとセ氏300度で窒素とナトリウムに分解する。爆発性および毒性をもつ。ナトリウムアジド化学式NaN3

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化学辞典 第2版 「アジ化ナトリウム」の解説

アジ化ナトリウム
アジカナトリウム
sodium azide

NaN3(65.01).ナトリウムアミド一酸化二窒素を反応させてつくる.

2NaNH2 + N2O → NaN3 + NaOH + NH3

無色,六方晶系の結晶.密度1.846 g cm-3.水に易溶.打撃では爆発しないが,加熱すると分解し,Naと N2 になるので純粋なナトリウムの原料になる.酸を加えるとアジ化水素を生じる.シトクロム・オキシダーゼの抑制作用がある.長く接触すると皮膚や眼にかゆみを生じ,摂取すると,おう吐・呼吸困難・頭痛心悸亢進などを起こす.ほかのアジ化物の原料のほか,医薬品,農薬防腐剤,分析試薬,自動車のエアバッグや航空機の緊急脱出シュートを膨らませるための起爆剤などに用いられる.有毒.[CAS 26628-22-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジ化ナトリウム」の意味・わかりやすい解説

アジ化ナトリウム
アジかナトリウム
sodium azide

化学式 NaN3 。ナトリウムアミドに亜酸化窒素を作用させてつくられる無色の結晶。加熱すると金属ナトリウムと窒素に分解する。水に可溶,アルコールに微溶,エーテルに不溶。窒化鉛の製造に用いられるほか,酸性でカルボン酸エステルなどに作用させて,炭素原子数が1個少いアミンを生成させるための反応試薬としても用いられる。 (→シュミット反応 )

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