アジスアベバ(英語表記)Addis Ababa

翻訳|Addis Ababa

デジタル大辞泉 「アジスアベバ」の意味・読み・例文・類語

アジス‐アベバ(Addis Ababa)

《新しい花の意》エチオピア連邦民主共和国の首都。同国中央部、エントト山標高約2400メートルの高原に位置する。森の中にあるため気候は涼しい。1887年、メネリク2世により首都が置かれ、イタリア英国支配の下で近代化が進められた。国連アフリカ経済委員会ECA)およびアフリカ連合の本部がある。アディスアベバ。人口、行政区265万(2002)。

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精選版 日本国語大辞典 「アジスアベバ」の意味・読み・例文・類語

アジス‐アベバ

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改訂新版 世界大百科事典 「アジスアベバ」の意味・わかりやすい解説

アジス・アベバ
Addis Ababa

エチオピアの首都。推定人口は1965年に約50万であったのに対し,84年には140万,94年には232万,2002年には265万とされている。エチオピア高原のほぼ中央にあり,標高2400mに及ぶため,赤道に近くても,温暖ないし冷涼な気候が年間を通してみられる。〈世界で最も気候のよい所〉とか,エチオピアの暦が13ヵ月からなっていたために,〈13ヵ月の日光〉というような形容句を冠して呼ばれる都市である。郊外のエントト山からはユーカリの緑に浮かんだ近代的建築群が望まれるが,もともとエチオピアの首都は,燃料にする針葉樹森林を求めて移動する一時的な存在であった。生長の早いユーカリの導入によって初めて移動を止めたのであった。

 アジス・アベバとは〈新しい花〉を意味し,1883年に建設され,89年に首都となった。地理的に国のほぼ中心に位置し,ここから放射状に全天候道路が発して地方の州都と結びついており,中央集権的な国家の中心で,アフリカ統一機構,およびその後継組織,アフリカ連合の本部もここに置かれている。創設が新しいため,歴史的な建造物はないが,旧帝国時代の宮殿エチオピア教会大伽藍などが市の中央部にあって目につく存在である。町はずれに近い所にマルカートと呼ばれる市場があり,アフリカ第1ともいわれるにぎわいをみせている。首都であるため,外国人の多くはここに住むが,標高が高いため,頭痛,脱力感など体の異常を訴えることが多い。だが,幸いに町は高原の縁にあり,そこから地溝帯に下る整備された道路と,低地には保養地があるので,週末に濃い酸素の補給をすることが可能であり,また必要である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジスアベバ」の意味・わかりやすい解説

アジスアベバ
Addis Ababa

エチオピアの首都。Addis Abebaとも記す。同国中部,エチオピア高原の標高約 2400mの高地に位置する。年平均気温 16℃。1887年メネリク2世が建設を開始,1889年王国の首都となった。1936年イタリアが占領(→エチオピア戦争),イタリア領東アフリカの首都となったが,第2次世界大戦中の 1941年に連合国軍が奪回した。戦後,近代化が進み,特に 1960年以降急速に発展した。アジスアベバ大学,教員養成大学,工科大学,オペラハウスなど文化施設も整い,政治,経済,文化の中心地をなす。工業は,織物,製靴,食品加工,プラスチック,化学製品などの工場があり,金融・保険サービス,マス・コミュニケーションの中心を担っている。コーヒー貿易の中心地で,外港であるジブチ港への鉄道の起点,また国内の輸送網の中心地である。近郊に国際空港がある。国際連合のアフリカ経済委員会アフリカ連合の本部所在地。人口 297万3000(2006推計)。

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