日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アシャンティ(ガーナの地名)
あしゃんてぃ
Ashanti
西アフリカ、ガーナの南西部にある州。面積2万4390平方キロメートル、人口318万7601(2000)。18世紀から19世紀にかけて栄えたアシャンティ王国の中心領域である。住民はアカン語系のアシャンティ人。クワフ高原によって南北に二分されるが、南部の山地はプラ川が貫流する熱帯森林地帯で、ココア栽培の中心地であり、ガーナの全生産の3分の1以上を産出している。木材生産も多く、オブアイには金鉱、ニナヒンにはボーキサイト鉱床がある。クワフ高原の北は、サバナ地帯で降水量は少なく、ボルタ川が流れ、ヤム、キャッサバ、トウモロコシ、米などの食糧作物を産出する。州都クマシはかつてのアシャンティ王国の首都であり、運輸、商業、行政の中心地である。1980年アシャンティの伝統建築群が世界遺産の文化遺産に登録された。
[中村弘光]