精選版 日本国語大辞典 「アシスタント」の意味・読み・例文・類語
アシスタント
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アメリカのユダヤ系作家B・マラマッドの2作目の長編。1957年刊。ロシアからのユダヤ移民モリス・ボーバーの営む零細食品店で強盗を働いたイタリア系の青年フランクが、経営不振のその店に店員となって住み込み、売上金をくすねながらも、商売の立て直しに努力し、やがて店の娘ヘレンに対する恋慕心も手伝って、悔悟、苦難、滅罪、改宗の道を選ぶに至る物語。ニューヨーク・ブルックリンのくすんだ居住区を舞台に展開される哀歓の小説ではあるが、特異な叙情性、暗示性、人間味などに満ちた人物像の造形に成功している。1960年代以降、顕著な活躍をみせるユダヤ系作家たちの諸作品を示唆することになった先駆的作品の一つ。
[邦高忠二]
『酒本雅之訳『アシスタント』(1969・荒地出版社)』
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