アオシャク(読み)あおしゃく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アオシャク」の意味・わかりやすい解説

アオシャク
あおしゃく / 青尺蛾

昆虫綱鱗翅(りんし)目シャクガ科アオシャク亜科のガの総称。このガ類は、大部分の種ではねの表面が美しい緑色のため、「アオシャク」という語尾で統一されている。ほとんど全世界に分布しているが、熱帯に産するものが多い。日本には73種がすむ。成虫の大きさは、はねの開張12~60ミリメートル、色彩斑紋(はんもん)は変化に富む。すべて夜行性で、よく灯火に飛来する。昼間、葉上ではねを広げて静止していると、葉と背面の色彩がよく似ていて、食虫性の鳥獣の目から逃れることができる。幼虫は、いわゆるシャクトリムシで、おもに樹木の葉を食べる。

[井上 寛]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android